日本人にとって海外旅行の定番である南国ハワイ。おいしい食べ物や飲み物、魅力的な観光スポットがたくさんあり、夢中になって計画を立てている方もいるのではないでしょうか。
ただし、外国には得てして危険があります。決してハワイも例外ではなく、治安や防犯についてよく理解しておかないと犯罪に巻き込まれてしまう恐れもあります。
せっかく楽しいハワイ旅行だったのに、思いもしないトラブルに見舞われ、悲惨な思いをしてしまうということもありうるのです。そのようなことがおこらないようk、現地の治安事情を把握しておくことが最も重要です。
今回は、ハワイの治安事情がわかるように、発生しやすい犯罪や注意が必要なエリア、犯罪を回避するための対策などを解説していきます!
実際に起きたトラブルもSNSからご紹介しているので、治安対策の検討にぜひ役立ててみてください。
ハワイの治安事情
ハワイ州は、日本人からも人気のスポットとして知られており、差し迫る危険を感じることは少ないと思うかもしれません。
しかし、リゾート気分で油断していると、観光客を狙った犯罪に巻き込まれるリスクも…。ハワイ旅行でトラブルに見舞われないよう、治安事情を把握しておくことが重要です。
早速、ハワイの治安事情について犯罪発生数やテロの発生状況などさまざまな観点から解説していきます!
ハワイで発生しやすい犯罪
ハワイはアメリカの中でも比較的治安がよいエリアですが、日本と比較すると犯罪発生率が高いといわれています。
観光客を狙ったひったくりをはじめ、車上荒らしや置き引き、スリなどの財産犯罪が発生しがちです。
たとえば、路地から人が出てきて急にバッグを奪われたり、ビーチに置いて置いた私物がなくなったりしてしまうリスクがあります。
ハワイで観光するときは、特別な理由がなければ、高価な物を持ち歩くことは避けましょう。
ハワイの犯罪発生数
外務省のホームページで公開されている2021年の犯罪件数は下記の通りです。
罪種 | 件数 |
---|---|
殺人 | 8件 |
レイプ | 646件 |
強盗・侵入盗 | 4,197件 |
暴行・傷害 | 10,707件 |
車両盗 | 4,286件 |
暴行・傷害、強盗などの被害も少なからず発生していることがわかります。
なるべく複数人で行動したり、人が少ない場所に行かないようにしたりするなど、警戒を怠らないようにしましょう。
ハワイの夜の治安
ハワイはホノルルなどの都会エリアでも比較的のんびりした雰囲気が漂いますが、やはり夜になれば空気が変わります。
夜にお酒を飲んでいる人に絡まれたり、言いがかりをつけられて殴られたりするケースも珍しくはありません。
夜間の街を一人で出歩かないようにすることが大切です。買い物や食事をなるべく早くすまして、帰宅時間が遅くならないようにしましょう。
どうしても夜間に用事がある場合は、車や自転車などで行動するなどして、通行人とのトラブルを減らす方法も検討してみてください。
ハワイにおける新型コロナウイルスの動向
2023年2月1日時点におけるハワイ州の新型コロナウイルスの感染者総数(島別)は下記の通りです。
島 | 感染者総数 |
---|---|
ハワイ島 | 42,215名 |
カウアイ島 | 18,951名 |
ラナイ島 | 833名 |
マウイ島 | 43,071名 |
モロカイ島 | 1,317名 |
オアフ島 | 262,244名 |
首都ホノルルがあるオアフ島は特に感染者総数が多くなっています。その一方でラナイ島やモロカイ島などは感染者総数が比較的少ない傾向です。
新型コロナウイルスの感染リスクを少しでも下げたいのであれば、感染者総数が少ない島を観光するのもよいかもしれません。
ハワイのテロや誘拐事件の発生状況
外務省によると、ハワイではテロ組織の存在は確認されていません。ただ、外務省によればハワイには米軍基地が存在するので、基地を攻撃するテロが発生する恐れはゼロではないようです。
オアフ島のワイキキのように、諸外国からの旅行者が戻りつつあるエリアは、インパクトの観点からテロリストの標的になり得るかもしれまん。
また近年、外国人を標的にした身代金目的の誘拐事件も特に確認されていません。ただしその他の誘拐事件は発生しているようなので、可能な限り単独行動は避けたほうがよいとされています。
ハワイ旅行を計画するとき、テロ事件や誘拐事件に不安を感じるのであれば、人がたくさん集まる場所や人が極端に少ない場所はなるべく訪れないようにしましょう。
ハワイのストライキやデモの発生状況
ハワイ州では大規模なストライキやデモが発生した事例もあります。
2018年10月8日には、ワイキキの5つの施設で2,700人以上のホテル従業員がストライキを起こしました。目的は賃上げや手当の改善などです。
2020年5月25日には、アメリカ本土・ミネアポリス近郊で、黒人男性が警官に膝で首を押さえつけられ、死亡した事件が発生しました。死亡事件が引き金となり、ハワイ各地でも人種差別の抗議デモが発生し、最終的に1万人以上が参加しました。
このようにハワイでは、日本とは異なりストライキやデモが発生する可能性が少なからず存在しています。集会が発生する場合などは、不測の事態によって混乱が生じる恐れもあるので、不必要に近づかないことが重要です。
参考:2,700 hotel workers at 5 Waikiki hotels go on strike(ハワイニュースナウ)
Packed but peaceful: Black Lives Matter protesters take to streets of Oahu(ハワイニュースナウ)
ハワイで治安に気をつけたほうがよいエリア
ここまでハワイ全体の治安について解説しましたが、エリアによっても治安が異なってきます。治安に注意すべき場所を把握しておくことで、犯罪に巻き込まれるリスクを減らせます。
引き続き、ハワイで治安に気をつけたほうがよいエリアを確認してみましょう。
チャイナタウン
チャイナタウンは、ホノルルのダウンタウンの西側に広がるエリアです。1852年にハワイに渡航した中国人たちが、自分たちで商売を始めて誕生した場所だといわれています。
出雲大社(島根県)のハワイ分院「ハワイ出雲大社」があることで有名ですが、治安が悪いという評判も見受けられます。
たとえば、チャイナタウンのバーに友達と行った帰りにひったくりにあったという方もいます。ホームレスがたくさんいる点も治安が悪く見える理由のようです。
歴史的な建造物や中国語の看板、美味しいお店なども集まっているので、訪れるのに悩む方もいるかもしれません。夜は危険といううわさが絶えないので、観光するのであれば昼間に訪れることを検討しましょう。
ダウンタウン
ハワイのダウンタウンは、政治・経済の中心となる建物が林立する官庁・オフィスエリアです。
ハワイ王朝第7代カラカウア王が住んでいたイオラニ宮殿があり、ハワイの歴史にも触れられる地域でもあります。
オフィス街なので活気があるような印象を受けるかもしれません。しかし、休日になると人が少なくて、観光客であふれるほかのエリアと比較していて、閑散としています。
ガラスが割れている場所などもあり、治安はあまりよくはないようです。実際にダウンタウンを訪れたところ、日系人に治安が悪いから帰ったほうがよいといわれた方も見受けられました。政治・経済の中心地といえども、警戒は怠らないほうがよさそうですね。
カカアコ
ハワイのカカアコは、オアフ島の南岸に位置する商業・小売りエリアです。建物の壁にウォールアートを描くイベントで有名になっており、ハワイの流行発信地としても知られています。
再開発が進んで観光地というイメージが浸透していますが、もともと倉庫街であったこともあり、治安がよいとは言い切れない場所です。
過去に公衆トイレで日本人観光客が襲われた事件があり、在ホノルル日本国総領事館も治安のよい地区とはいえないという見解を示しています。
“5月28日(月)昼頃,ウォールアートで大変人気のあるカカアコ地区内の公園の公衆トイレで,邦人旅行者2名が,男から,歯を折るほど顔面を激しく殴打されたり,首を絞められて気絶させられる等の被害を受ける事案が発生しました。”
引用:ホノルル市内カカアコ地区に関する治安上の注意喚起(在ホノルル日本国総領事館)
“カカアコ地区は従来から,ひったくりや車上狙いの報告もあり,必ずしも治安の良い地区であるとは言えません。”
恐ろしいことに、この暴行事件に巻き込まれた夫婦は最終的にハワイの病院から高額な治療費を請求されてしまったそうです…。
カカアコを訪問するときは、人気のない場所に入ったり、不信を感じたらその場を立ち去ったりするなど、注意が必要です。
ワイキキ
ハワイ語で湧き出る水という意味を持つワイキキは、ハワイの王族が避暑地として過ごしていたエリアです。1901年にモアナホテルが完成してから、ホテル・商業施設が集まるビーチリゾートとして発展してきました。
ワイキキは比較的治安がよいといわれるエリアでしたが、近年はホームレスが多くなっているようで、治安を心配する方も現れ始めています。中には、ホームレスに怒鳴られて瓶を投げつけられたという方も見受けられました。
2022年12月8日には、オヒア・ワイキキ・スタジオ・スイーツで立てこもり事件も発生しています。
これまでの認識で判断するのではなく、現地の動向を正確に把握したうえで、観光を検討しましょう。
参考:HPD releases surveillance video from fatal Waikiki barricade shooting(ハワイニュースナウ)
カリヒ
カリヒは、ダウンタウンの西側にある地区。ローカルから親しまれるB級グルメの店舗などがあることで知られています。
ハワイ名物のココパフ(シュー皮の中にココア味のカスタードが入ったお菓子)で人気のリリハ・ベーカリーがあることでも有名です。
ただ、カリヒはハワイ州の中でも低所得者住宅が多い地区といわれており、ホームレスも多くなっています。
ローカルの間ではギャングの多い地域と認識されることもあり、日中でも殺傷事件が起こることもあるようです。B級グルメに興味がある方もいるかもしれませんが、観光のリスクがあることは理解しておきましょう。
ワイアナエ
ワイアナエはコオリナリゾートからさらに西側にある地区。美しいビーチと山が広がる静かな場所です。
オアフ島の中でも地価が低い地域であり、カリヒと同様に低所得者層が多いエリアとして知られ、治安はよくないといわれています。
オアフ島の西側に行く場合は、観光地として整備されているコオリナまでとしておくのが無難のようです。
ハワイの治安に関する身近な犯罪事例
ハワイで犯罪が起こるという実感があまり湧かない方もいるかもしれません。しかし、SNSでは実際に犯罪に巻き込まれて途方に暮れる方のコメントが数多く見受けられます。
警戒心を高めてもらえるよう、ここからはTwitterでハワイの犯罪に関するコメントを事例としてまとめてみました。
事例1 置き引き
“ハワイで置き引きにあい、
カバンと財布とパスポート家の鍵とられて大騒動 本当に悲しいめっちゃ辛い
でもピンチって一気に襲って来るよね
これが不幸なピンチじゃないことを願うしかない”
カバンや財布、パスポート、家の鍵などを置き引きにあって盗まれた事例がありました。重要なものをまとめて置かないように注意が必要です。
“ハワイで乗ってたbiki盗難された😭
12万円の賠償…うう😭“
“そうなの!パン屋でパン買ってる間に取られた😭”
bikiとは、ハワイでレンタルできる自転車です。最寄りのbikiステーションで簡単に借りたり返したりできます。レンタカーやザ・バスよりリーズナブルなのですが、買物をしている間に盗まれて賠償を求められる事例がありました。
鍵をして駐輪しても盗まれてしまうリスクがあるので、ステーション間で移動するときに使うのが無難のようです。
事例2 ひったくり
“日に日に治安が悪くなっていくアメリカ。#ハワイ の昼間、知り合いがひったくりにあった。”
ハワイで知り合いがひったくりにあったという方がおり、実際のニュース映像がTwitterでアップされていました。被害にあったのは日本人女性で、歩いていたときに自転車に乗った犯人が後ろからバックを奪われました。
ハンドバックには財布や運転免許証などが入っていて、全治1週間ほどのケガを負っています。
女性がハワイで観光するときは、人気が少ない場所を一人で歩かないことが重要だとわかります。また、つかみやすいバックなどをぶら下げて歩かないように注意が必要です。
事例3 恐喝
“到着2時間ほどで恐喝されたハワイ以来の海外です。1年半ぶりくらい。恐怖が蘇る。”
“ハワイ初日の夜に屈強な黒人に取り囲まれかつあげされたこと以外は楽しいー(о´∀`о)
ほんっっっとに怖かった(´;ω;`)”
ハワイでは恐喝の被害にあってしまうケースもあるようです。
在ホノルル日本国総領事館によると、もし被害に遭ったときは、犯人がけん銃や刃物を所持している恐れもあるため、抵抗や自力での被害回復を諦めて、安全な場所に逃げたうえで警察に通報する必要があるとのことです。
事例4 車上荒らし
“ハワイでレンタカー借りてビーチで遊んで大はしゃぎ!数時間後、車に戻ったら車上荒らしに遭っていて色んなもの盗まれてた😅帰りの車中はドナドナだったよ😭”
“ハワイで車上荒らし
買ったもの全部持ってかれたー
でも、海外保険でお金帰ってくるみたい”
ハワイで車上荒らしに車内のものを盗まれた方が多く見受けられました。車の窓が割られて、社内にガラスが飛び散っている画像もアップされています。
鍵を閉めていても盗まれる恐れがあるので、車には貴重品を置かないように注意が必要です。
事例5 詐欺
“昔ハワイに行くと空港出た辺りで花のレイ掛けられて
thank youって言ったら5ドル請求してくる詐欺有ったけど
奴らのやる事は何年経っても変わらんなぁ
ど思ったGW初日”
“昔ハワイに行ったとき、オウムを肩に乗せて写真撮ってあげるよって言ってそのあとお金請求してくる詐欺オジサンがいっぱいいたな。完全無視してたから免れたけど、人間の汚いビジネスに動物を利用するなと憤ってしまうな。”
これは海外ではよくある単純かつ悪徳な商法。特にふたつめの「オウムおじさん」はSNS上でも結構有名です。はっきり「No」と断ればトラブルになることはほとんどありません。このようにささいなことでも知らない人間に何かをしてもらうとお金を請求されてしまう可能性がありますので気をつけてください。
ハワイの治安に不安を感じる方が押さえておきたい旅行の準備
ここまでハワイで治安に気をつけたほうがよいエリアや実際にあった身近な犯罪の例などを紹介しました。ハワイには魅力的な観光スポットがたくさんあるのに、治安が気になると旅行に行くのが不安になりますよね。
ただ、あらかじめ注意すべき点を押さえて準備をしておけば、楽しく安全に旅をすることはもちろん可能です!
引き続き、ハワイの治安に不安を感じる方が押さえておきたい旅行の準備についてまとめてみます!
準備1 海外旅行保険に加入する
ハワイでは治療費が高いことが知られており、犯罪に巻き込まれてケガをしてしまうと、高額な費用が発生してしまうリスクがあります。
たとえば骨折してハワイの病院に搬送されたとしましょう。救急車の搬送費や初診料、治療費、入院費などが積み重なると、総額250万円の費用がかかるといわれています。
自分は悪いことをしていないのに、高額な治療費を請求されてしまえば、精神的なダメージが大きくなりますよね…。
したがって、万が一のリスクに備えて海外旅行保険に加入しておくのが無難です。
準備2 翻訳機器を用意しておく
ハワイ旅行で犯罪に巻き込まれたとき、周囲に助けを求めても言語が通じなければ、対処が遅れてしまうリスクがあります。
トラブルの状況を正確に伝えるのに役立つのが翻訳機器です。
たとえば、ポケトークという翻訳機器が挙げられます。ポケトークでは、日本語に話しかけると、外国語に変換した音声を流してくれます。
お互いの言語が話せない場合でも、通訳者が近くにいるかのように会話できるので、万が一の事態でも周囲に助けを求められます。
基本的な機能が搭載されている機種であれば、1万円台で購入することも可能です! 自分の語学力に少しでも不安がある方は導入を検討してみてください。
準備3 インターネット環境を整えておく
ハワイ旅行中に家族や友達とはぐれて単独行動をすることになってしまうと、一人を狙った犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
万が一のために、家族や友達と連絡を気軽に取り合えるインターネット環境を整えておくことも大切です。
基本的に日本のスマートフォンをハワイに持参すれば、現地でもインターネットをそのまま使えます。ただ、膨大な通信量が課金されてしまうので、あらかじめ海外パケ放題などのサービスに加入しておく必要があります。
たとえば、ドコモではハワイでも使える「海外パケ・ホーダイ」のサービスを提供しています。料金は1日あたり最大2,980円です。
海外パケ放題も高く感じる場合は、Wi-Fiをレンタルしてインターネット環境を整える方法も検討してみましょう。
準備4 パスポートをコピーしておく
パスポートは、国外にいる間の日本人の証明書として携帯しなければならない書類です。
日本のパスポートは信頼性が高く、短期滞在であればビザを取得しなくても数多くの国に入国できるため、犯罪者に狙われやすいといわれています。
ただ、さまざまな場面でパスポートの提示が要求されるので、必然的に出し入れの回数が増えてしまいがちです。
盗難に遭うリスクを減らすためには、パスポートをコピーする方法を対策として検討できます。コピーの提示で済ませれば、原本をしまったままにできます。
コピーの提示が認められない場合もありますが、スーパーのレジでクレジットカードを使うときや、お酒を購入するとき、飲食店で飲むときなどであれば、認められることもあるようです。
ハワイ旅行でオススメの防犯対策
SNSで事例を紹介した通り、ハワイではさまざまな犯罪が発生するリスクがあります。少しでもトラブルに巻き込まれるリスクを下げるために、犯罪を回避するための治安対策を知っておくことが重要です。
ここでは、ハワイ旅行で犯罪を回避するための治安対策について詳しく解説していきます。
対策1 安全な地域・観光スポットを訪れる
ハワイは地域によって治安が異なるので、犯罪に巻き込まれるリスクを最小限にしたいのであれば、安全なエリアでホテルを予約しましょう。
万が一のトラブルにも迅速に対応しやすいよう、日本語に対応しているホテルだと安心です。具体的には、ハレクラニやトランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキなどが挙げられます。
また、観光スポットによっても犯罪が起こりにくい場所もあります。たとえば、交番が近くにあって警察官が見回りをしている場所などがよい例です。
観光スポットの口コミを調べると、周辺の治安がわかってきます。口コミで安全を確かめてから観光スポットを訪れましょう。
対策2 現金は最低限だけ持ち歩きクレジットカードを活用する
ハワイでは人通りの多いエリアでもひったくりの被害が増えています。旅行者が高額な金品を所持している可能性が高いこと、裁判の負担を嫌うことなどを想定して狙う傾向があるようです。
したがって、ひったくりに遭遇してしまったときのリスクを減らすために、現金を最低限だけ持ち歩くようにすることが重要になります。
また、ひったくりのリスクを下げるには、クレジットカードを有効活用することも大切です。クレジットカードであれば、会計の際に多額の現金を犯罪者に見られないようにできますし、仮に盗まれても停止すれば被害を食い止められます。
対策3 リュックで観光する
ハンドバックやトートバッグなどの手で持つタイプのバッグは、スリやひったくり、強盗などに遭うリスクが高いです。また、ショルダーバッグは荷物が入らない大きさのため、貴重品が詰まっているように認識される恐れがあります。
その点から、海外旅行に慣れている方は、リュックを好むようです。リュックであれば、両肩で背負っていることから、強引に奪われる心配がありません。
ただ、リュックといえども知らない間にファスナーを開けられて貴重品が盗まれる恐れもあります。貴重品はなるべくリュックの下のほうに入れて、上着や飲み物などを上のほうに入れておくと安心です。
リュックから中身を取り出すときに体から完全に降ろしてしまうと、奪われてしまう恐れもあります。リュックを体の前にずらして中身を取り出すようにすると、標的にされにくいかもしれません。
対策4 荷物から目を離さない
海水浴中やショッピングなどに置き引きの被害が生じるケースが少なくありません。
対策として常に荷物から目を離さないことが基本です。荷物を置くときは、必ず一人を荷物番として残すようにしましょう。
また、置き引きに遭いやすいタイミングがフードコートなどで食事をしているときです。隣のイスの背もたれにかけていたバッグが盗まれてしまうようなことが起こります。
自分の近くに置いていても、視界がそれたタイミングで盗まれることがあります。隣の席にバッグをかけないようにしましょう。
対策5 車内や砂浜に荷物を置かない
ハワイでは車上荒らしが多く発生しており、車を駐車するときに荷物をトランクや車内に残さないことが重要です。荷物の量が少なくても、ドアをこじ開けられたり、ガラスを割られてしまったりして大事になるリスクもあります。
荷物を見えないように隠せばよいと思う方もいるかもしれません。しかし、観光客を観察している犯罪者もいます。荷物があることがわかってしまうので、隠すこともしないようにしましょう。
また、砂浜に荷物を置いて海に入ると、荷物から車の鍵を盗まれ、車ごと盗まれるケースも珍しくありません。砂浜にも荷物を置かないように注意してください。
対策6 肌の露出をなるべく控える
常夏のハワイだと、暑さを和らげるために肌を広く覆う衣類を避ける方もいますよね。
また、気持ちが浮かれて、ノースリーブに短パンのコーディネートをしたり、丈の短いワンピースを着用したり、肌の露出を増やしてしまうこともあります。
しかし、ハワイでも少なからず性犯罪が発生しているのが実情です。女性が肌の露出が多い服装をしていると、性犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
トラブルを減らすためにも、なるべく肌の露出が少ない服装を心がけましょう。
対策7 道端でガイドブックや本、地図などを広げない
道端でガイドブックや本、地図などを広げていると、観光客であることわかってしまいます。
ガイドブックや本、地図などの内容は、なるべくホテルにいるときに頭に入れて置き、道端で確認しなくて済むようにしましょう。どうしても確認が必要な場合は、カフェなどに入ることも検討してみてください。
スマートフォンで情報を閲覧するようにすれば、観光客であることを知られにくくなります。インターネット検索も有効活用しましょう。
対策8 ホテルではチェーンロックをする
ホテルではオートロックに対応していると、安全に過ごせるように思えるかもしれません。
しかし、ロックされている室内でも侵入盗被害が発生することがあり、最悪の場合では身体的な被害を受けてしまうリスクもあります。
したがって、ホテルのオートロックを過信せず、必ずチェーンロックをかけるようにしましょう。また、外出するときは貴重品を見える場所に放置せず、金庫にしまっておくのが無難です。
対策9 公衆トイレは基本的に利用しない
日本では公衆トイレは気軽に活用されがちですが、ハワイでは治安が異なります。
トイレ周辺には、ホームレスが寝泊まりしていたり、中から突然独り言や奇声が聞こえてきたりすることも珍しくありません。
すでにお伝えしたとおり、ハワイの公衆トイレでは暴行事件が発生するリスクもあります。その点、在ホノルル日本国総領事館では、公園の公衆トイレの使用を極力控えるように注意喚起しています。
公衆トイレというと気軽に利用したくなるかもしれませんが、治安が悪いといわれるエリアでは特に警戒して近づかないように注意してください。
参考:ホノルル市内カカアコ地区に関する治安上の注意喚起(在ホノルル日本国総領事館)
対策10 防犯を意識してカメラを利用する
ハワイでは置き引きや窃盗、車上荒らしなどのリスクがあるため、高価なカメラも標的にされる恐れがあります。
特に理由がなければ、一眼レフなどの高価なカメラはなるべく利用しないほうが無難です。
また、メーカーのロゴが見えないようにしたり、首からかけずにカバンに入れたりするなどの対策も必要になります。
レンタルであれば盗難に遭っても補償してもらえるように感じるかもしれません。ただ、レンタルサービスによっては、商品を盗まれた場合に関して市場販売金額の100%で請求されることがあります。
カメラをレンタルする場合も、必ず補償のルールについて確認しておきましょう。
対策11 目的のわからない寄付には応じない
外国人とコミュニケーションを交わすのが初めてだと、道端で親しげに話されるとうれしい気持ちになってしまうかもしれません。
しかしハワイでは、日本人を狙って寄付金と称してお金をだまし取る詐欺犯罪が発生しています。
たとえば、道端で恵まれない人の話をしてシールを配り、見返りに寄付を要求する事例が挙げられます。
日本語で話しかけられても簡単には信用せず、目的のわからない寄付には応じないようにしましょう。
ハワイで注意しておきたい建物・乗り物別の治安対策
ハワイでは、ホテルやショッピングセンターなどの建物や、バスやタクシーなどの乗り物を利用することがあります。
ここまでお伝えした治安対策に加えて、建物・乗り物ごとに注意点を知っておくことも重要です。引き続きハワイで注意しておきたい建物・乗り物別の治安対策を解説していきます。
ホテル
ホテルには、密室になる場所としてエレベーターがあります。有名な大型ホテルのエレベーターでも、日本人観光客がけん銃で頭を殴られて強盗に遭った事件もあったようです。
エレベーターに乗る前に怪しい人物がいないかどうか確認し、少しでも異変を感じたら乗らないようにしましょう。
また、室内に鍵をかけていても清掃スタッフが貴重品に目がくらんで盗みをするケースも少なくありません。ホテルのスタッフにも警戒して、金庫に貴重品を入れておくようにしましょう。
ショッピングセンター
ハワイのショッピングセンターを利用するときに注意したいのが駐車場です。
ハワイでは、ショッピングセンターで買い物をしている家族を駐車場で待っているとき、突然ドアを開けられて強盗の被害に遭遇してしまうこともあるようです。
したがって、ショッピングセンターで買い物をするときは別行動をなるべくせず、車の中に一人で待機することを控えたほうがよいといえます。
仮に一人で待機するときは必ずドアのカギをかけるようにしましょう。
参考:Elderly man savagely beaten in midday robbery at Ala Moana Center(ハワイニュースナウ)
クラブ
ハワイのクラブで危険な思いをする方も珍しくありません。
たとえば、夫がハワイのクラブで飲み物を1杯飲んで記憶を失ってしまい、翌朝になって財布や携帯がなくなり、足まで腫れた状態で帰宅したという体験を持つ奥さんが見受けられました。
1杯で酔って記憶をなくすとは考えづらく、薬を盛られてしまった可能性があるようです。
クラブは華やかで楽しいイメージがある場所ですが、危険があることを理解しておく必要があります。とはいえ、夜にお酒を飲みながら素敵な時間を過ごしたい方もいますよね。
ハワイには魅力的なバーを用意したホテルがたくさんあります。たとえば、クラシックジャズの生演奏を聴きながらお酒を飲めるホテルがよい例です。
夜を安全に楽しみたい方は、ホテルのバーも検討してみてはいかがでしょうか。
バス
バスは、低料金で誰でも利用できるため、事件が発生することもあります。なるべく車中では眠らないようにすること、窓側の席を避けること、車内の後方に座らないことなどの対策が重要です。
ハワイでは夜遅い時間帯に、バス停でバスを待っていた日本人が、バイクに乗った犯罪者からショルダーを奪われるという事件も起きています。暗い時間の待機時間を減らすためにも、日没後の利用は避けるのが無難です。
また、バスの車両に物を投げつけたり、叩いたりするという事件も増えています。ひどいケースだと、窓が破られることもあるようです。
具体的に事件が発生した路線は、ノースショア路線やハワイ・カイ路線などです。現地の情報を確認したうえで、事件が発生している路線のバスは、利用を控えたほうがよいかもしれません。
タクシー
ハワイでは、選んだタクシー会社によっては、詐欺のようなぼったくりに遭遇してしまうケースがあります。
たとえばハワイで結婚式をしたときに、お金を支払って帰りのタクシーを手配したのに、時間になっても迎えが現れなかったという方がいました。
後日連絡したところ、迎えに行ったがいなかったといわれてしまい、最終的に返金もしてもらえなかったようです。
そのほか、タクシーを利用したあとにおつりがごまかされていることが判明し、ホテルを通して問い合わせをしたところ、逆ギレをされて電話を切られた方も見受けられました。
ハワイでタクシーを利用するときは、タクシー会社の評判を必ず確認するようにしましょう。
子連れの親が知っておきたいハワイの治安情報
ハワイに子どもと一緒に家族で旅行に行きたい!という方もいますよね。
ここまで紹介した通りハワイでは少なからず犯罪のリスクがあることから、子どもの身を守るためにも保護者が危険を察知しなければなりません。また、ハワイでは子どもを守るためのルールがあり、知っておかないとトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
ここでは、子連れの親が知っておきたいハワイの治安情報についてご紹介します。
人が多い場所でも誘拐のリスクがある
ハワイでは、人が多い場所だと安心して子どもを連れて観光できるように思えますよね。
ただ、2018年にはオアフ島のアラモアナセンター内で、9歳の女の子が誘拐されそうになった事件が起きました。
アラモアナセンターはワイキキから約10分以内の距離にあるハワイ最大のショッピングセンターです。家族で過ごせるフードコートや子ども向けの衣類ショップもあります。治安がよさそうに見えるエリアでも油断せず、不審者に対する警戒は怠らないようにしましょう。
参考:Police arrest suspect in attempted kidnapping at Ala Moana arcade(Star-Advertiser)
子どもを放置すると逮捕されるリスクがある
ハワイでは、12歳以下の子どもを13歳以上の保護者なしで一人にすることが禁止されています。子どもを放置して危険な状態にさらすと、保護者が逮捕されるリスクがあります。
つまり、子どもに留守番させたり、子どもだけで遊ばせたり、子どもに買い物をまかせたりできません。
たとえば子どもをホテルの部屋で留守番させてしまえば、従業員が警察を呼んでしまうこともあるのです。
中には、ホテルのロビーに子どもを数十分置き去りにして、公衆電話をかけていた母親が逮捕された事例もあったといいます。
そのため、保護者は治安の良し悪しに関わらず、小さな子どもを一人にせず同伴するのが原則です。
乳幼児連れが利用しやすいトイレもある
ハワイの公衆トイレには危険な場所があることをお伝えしましたが、乳幼児を連れている場合はどうしてもおむつ替えや授乳が必要になることがありますよね。
ハワイには、ショッピングセンターやレストランなどに、乳幼児連れが利用しやすいトイレもあります。たとえば、ベビーカーごと入るくらい広めのファミリー用トイレもあります。おむつ替え台も付いていて複数の子どもがいる家族には便利です。
おむつ替え台については、女性用だけでなく男性用にも設置されていることが多いようです。
休憩用のソファーやベンチが置いてあるトイレもあるため、授乳するのに活用することもできます。
とはいえ、昼間でも人気が少ないトイレはトラブルに巻き込まれないとは言い切れません。ハワイ旅行に出かける前から実際に現地に住んでいる方の体験をリサーチして、乳幼児連れに適した安全なトイレを探しておくようにしましょう。
ハワイで現地の治安を乱さないために知っておきたいルール
ここまでハワイに訪れたときにトラブルから身を守るための方法を中心にお伝えしましたが、反対にハワイで周囲の人に迷惑をかけないようにするという視点も大切です。
ハワイでは日本とは異なるルールがあり、知らないと気づかぬうちに現地の治安を乱してしまうことも…。
現地の秩序を乱さないためにも治安に関するルールを知っておきましょう。引き続き、ハワイで現地の治安を乱さないために知っておきたいルールについて解説していきます。
ルール1 お酒は21歳にならないと飲めない
日本ではお酒は二十歳になってから飲めますが、ハワイでは21歳から出ないと飲めません。ハワイ州法では、21歳未満の飲酒、アルコール類の購入が禁じられています。
バーやナイトクラブの入店、スーパーやコンビニでのアルコール類の購入をするときは、年齢に関係なく身分証明書の提示が求められます。成人したばかりの方がハワイ旅行に行くときは、ルールを見落とさないように特に注意しましょう。
また、ビーチや公園、路上、市バスなどの公共スペースでの飲酒も禁じられています。酔っぱらった状態で公共の場に行かないようにも注意してください。
海を眺めながらお酒を飲みたい方もいるかもしれませんが、その場合はホテルのビーチバーなどを利用しましょう。
ルール2 ホテルのベランダで洗濯物をほさない
日本人の感覚だとベランダに洗濯物を干す行為は珍しくありません。そのため、ハワイのホテルを訪れたときにTシャツや水着などを乾かしてしまう方もいます。
ただ、ハワイのリゾートホテルのベランダは外から見えるので、観光地の景観を損なってしまう恐れがあります。
実際に観光から戻ったときに、スタッフからベランダの洗濯物をすぐに取り入れるように注意されるケースも少なくありません。
したがって、室内のバスルームで干したり、施設内の乾燥機で乾燥させたりする必要があります。折りたたみ式の小さな干しハンガーも持参しておくと便利です。
ハワイのホテルでベランダに洗濯物をほさないようにしましょう。
ルール3 歩きスマホ
ハワイのオアフ島内では道路横断中の歩きスマホが2017年10月より禁止されています。
“7月27日,カーク・コールドウェル・ホノルル市長は,道路横断中にスマートフォンなどの電子機器を使用することを禁止した条例に署名しました。
“罰金額は初回違反が15~35ドル,1年以内に2回目の違反を犯した場合は35~75ドル,初回から1年以内にさらに3回目の違反を犯した場合は75ドル~99ドル。”
引用:道路横断中のスマホ等の使用禁止条例の制定(在ホノルル日本国総領事館)
なお、スマートフォンだけでなく携帯電子ゲーム機やタブレット端末、デジカメなども禁止されています。初回の違反でも罰金が科されるので注意してください。
まとめ
今回は、ハワイの治安事情として、発生しやすい犯罪や犯罪を回避するための対策などを中心に解説しました。ハワイでは、ひったくりや車上荒らし、置き引きなどの犯罪が発生しやすいです。寄付や写真撮影などでお金を要求する詐欺も多くなっています。
現金をたくさん持ち歩かないようにしたり、ハンドバックのような盗みやすいバッグを避けたりするなど、対策が必要です。また、公衆トイレで日本人が暴行の被害に遭った事例もありました。人気の少ないトイレは利用しないように注意してください。
ハワイはアメリカの中では治安がよいといわれますが、あくまで外国である以上治安の悪いエリアもあります。とはいえ、旅にリスクはつきものです。治安を恐れていては、海外旅行に行くことはできませんよね。
注意すべきエリアを知って、よくある犯罪の傾向を理解しておけば、トラブルに見舞われるリスクを減らせることは確かです。今回ご紹介した治安対策を一つでも多く実施して、日本で生活する以上の警戒心を持って旅行に行けば、最高の思い出を作れるはずです。
少しでも不安があれば、旅行会社に現地の治安情報を詳しく教えてもらったり、実際にハワイを訪れた人の体験をリサーチしたりしたうえで、ハワイ旅行の計画を立ててみましょう!