ハワイ旅行での平均的な滞在日数は、だいたい4泊6日〜5泊7日ほど。決して長いとはいえないその限られた時間のなかで、目一杯楽しまなければなりません。
しかしそこで大きな弊害となるのが、「時差ボケ」の存在です。
時差ボケとは日本と海外の時差によって、体内時計にズレが生じてしまう現象。特に時差12時間を超えるような環境へ行くと昼夜が逆転してしまいますので、日中にもかかわらず疲労感や眠気に襲われてしまいます。
憧れのハワイ旅行が時差ボケで台無しになってしまうことだけは避けたいですよね。
ではどのようにして予防すればいいのでしょうか?
そこで今回はハワイ旅行に関する時差ボケについて、その対処法を徹底解説させていただきます。
ハワイと日本の時差

まず最初にハワイと日本の時差について詳しくみていきましょう。
日本からハワイへいくためには、太平洋上の緯度180度線上にある日付変更線をまたぐ必要があります。つまり日付が1日戻る、という感覚になり、ハワイの方が時間が遅れる計算となるのです。
その前提で数字をお伝えすると、日本とハワイの時差は-19時間。ハワイでの0時は日本の19時となり、日本で夜の7時になると同時にハワイが同じ日付になります。
時間を計算するためには単純に19時間を日本時間から引くよりも、1日日付を戻したうえで5時間を足すほうが簡単です。日本で昼の12時だった場合は、ハワイでは1日前の午後5時という計算になります。
なおハワイにはサマータイムがありません。これはアメリカ本土が取り入れている方式で、日照時間が長い夏場は時計を1時間進めて生活するというシステム。日の出ている時間を有効に利用することが目的となっています。
本来アメリカに行く際には計算が必要となる概念ですが、ハワイはこの制度の対象外ですので単純にさきほどの計算をするだけで時間を割り出すことが可能になります。
さて一見、実質5時間程度の時差に見えるかもしれません。しかしハワイに行くためにかかるフライトの時間は7時間ほど。その疲労に加えての5時間の時差というのは思うよりも身体への負担が大きいものです。
実際ハワイ旅行にきたけれどほとんどの日程で疲れがとれないまま時差ボケが続いてしまった、という例もありますので、しっかりとした事前の対策が肝心となります。
行きの時差ボケ対策法

それではここから、具体的な時差ボケ対策について解説させていただきます。
出発当日までの過ごし方
時差ボケ対策は出発の数日前から始めておく必要があります。単純ながら最も有効な手段として、体内時計をハワイの時間になるべく近くしておくことで移動後のズレを可能な限り小さくする方法があげられます。
まずはいつも寝ている時間と起きている時間がハワイにおける何時になるのかを計算します。仮に夜12時に寝て朝の8時に起きるという生活リズムなのであれば、ハワイ時間に変換すると明け方5時に寝て午後1時に起きているということになります。
これをそのままハワイの時間に置き換えてしまうのが理想ではありますが、現実的にはなかなか難しいでしょう。なぜならば変換すると夕方7時に寝て、深夜3時に起きるということになってしまうからです。
しかし安心してください。少し寝る時間を早めるだけでも効果はあるのです。たとえば出発前の2日間だけは夜の9時に寝て、朝5時に起きる生活をしておくだけでもハワイ到着後の時差ボケ解消はとても楽になります。
機内ではひたすら寝ておく!
理想は出発前に体内時計をハワイ時間にしておくことではあるのですが、実際にそれができない場合はどうすればよいのでしょうか?
その答えは簡単、とにかく飛行機での移動中に寝続けることです。
日本からハワイへ向かう飛行機の多くは夕方〜夜にかけて出発する形になります。こうすることでハワイに到着するのが早朝〜午前中になるよう調節されているのです。
つまり生活リズムにかかわらず飛行機の中でひたすら寝続けることによって、到着からハワイ時間の夜までを起きて楽しむことができるというわけです。
さきほども記載しましたが、フライトにかかる時間はおよそ7時間ほど。この時間をすべて睡眠にあてることで時差ボケを予防することが可能となります。
機内食は諦める!
以上のことから、時差ボケの対策のためには飛行機の中でいかに眠りやすい環境を整えるか、が重要になります。
そのためにまず諦めなければならないのが、機内食。
ハワイへのフライトでは大体夜ご飯と朝ごはん分の2食が機内食として提供されることとなります。
機内食の選択や食事時間、片付けの時間までを考えると、それだけで睡眠時間が1時間半ほどは潰れてしまいかねません。
「えー、そんなぁ…」と思われる方のお気持ちはわかりますが、飛行機に乗る前にしっかりと夕食をとり、トイレも済ませたうえでガッツリと眠りましょう。その方が到着後のハワイ旅行を思う存分楽しめるはずです。
窓際、もしくは入り口に近い席を予約する
機内で快適に睡眠するためには席のとり方も重要となります。
もちろん空き状況によって可能かどうかという問題はありますが、座席はできるかぎり窓際、もしくは入り口に近い席を予約しておきましょう。
窓際の席ではトイレなどで座席を離れる人の影響を受けません。おまけに窓からの眺めもあり、壁にもたれかかることもできるのでゆっくりと眠りたい方にとっては最適のシチュエーションとなります。
しかしトイレに行く際には通路側の席の方にどいてもらわなければなりませんので、とても気をつかうこととなります。普段からトイレが近い方にとっては逆にストレスな環境となってしまう可能性もありますので、自身の体質と相談する必要もあるでしょう。
とはいえフライトの数時間前から水分を断つことで対処することも可能なので、窓際の席を予約することはオススメです。
また入り口に近い最前列は他の座席よりも空間が広く、多少足を伸ばして座ることができます。こちらも快適に眠るためには最適の環境といえますので、空いていれば検討することをオススメいたします。
これらの希望席は予約時にたとえ埋まっていてとれなかったとしても、当日のキャンセルなどで空いていることもあり得ます。チェックインのときに一度確認してみるのもいいでしょう。
足元はスリッパで快適に
細かいテクニックに思えるかもしれませんが、機内で快適に眠るためには足元の環境も大切です。
長時間のフライトで最も身体に負担がかかるのは足だといっても過言ではありません。現にエコノミークラス症候群(長時間のフライトにより血管内に血栓ができ、腫れが生じたり肺へ流れて肺塞栓症を引き起こす病気)の多くはフライト中に足を動かさなかったことが原因となります。
したがって足を快適な環境にするだけでも飛行機内の安眠につながるでしょう。そのためには履き慣れたスリッパやサンダルを用意して持ち込んでおく、などの工夫が必要です。
飛行機内のアメニティとしてサンダルが用意されていることも多くありますが、かなり薄手なことが多く、足が冷えてしまったり違和感が気になってしまうこともあります。できるだけ自分で用意しておきましょう。
ちなみに海外では日本と違い、ホテルにスリッパが置かれていないことがあります。機内だけではなくホテルでも必要となる可能性もありますので、旅行の際にはかならずカバンに入れておくことをオススメします。
騒音対策をしておく
飛行機内に鳴り響くエンジン音は想像よりも大きなものです。到着まで快適に眠るためには耳栓、もしくはイヤホン・ヘッドフォンを用意しておきましょう。
イヤホン等に関しては座席に備え付けられていることも多いですが、これらはかなり簡易的なもの。耳に合わなかったり、音質が気になったりといったところでリラックスできないという場合もありますので、こちらに関しても必ず自分の使い慣れたものを持ち込んでおくことがポイントとなります。
機内のビデオなどを鑑賞しながら寝たい、という場合にはプラグタイプの違いによって持ち込んだイヤホン等が使えないということもあり得ます。「2ピン変換アダプタ」というものが数百円程度で手に入りますので、あらかじめ購入してポーチなどに入れておくことをオススメします。
またフライト中は安全上の理由から電波を発するものの使用が制限されています。ブルートゥース等によるワイヤレスのものはなるべく避け、コードタイプのものを持ち込んでおくのが無難でしょう。
乾燥対策を怠らない
飛行機の中には精密機械が多くあります。それゆえ湿度は低く設定されており、常に20%以下になっていることがほとんど。
フライト中の安眠のために、乾燥に弱い体質の方は必ず対策をしておかなければなりません。リップクリームや目薬などはもちろんのこと、保湿クリームや保湿シートなど必要に応じて用意しておきましょう。
ちなみに化粧水だけで対策するというのは危険です。極度に乾燥している機内では化粧水が短時間で蒸発してしまい、かえって肌の乾燥を促進することとなってしまうからです。顔の保湿には必ず美容液や乳液をつかってくださいね!
なお喉が乾きやすくなる点にも注意が必要です。ペットボトルの飲み物をひとつでいいので手元に置いておくことをオススメします。
温度対策をしておく
海外の航空会社の場合、機内の温度が低めに設定されていることが多くあります。
実は欧米人は寒さに強く、低い温度のほうが快適に感じる体質。日本人はその適温が寒いと感じてしまうのです。
飛行機内に乗りこんだ際には、毛布を受け取っておくことを忘れないようにしましょう。ちなみに毛布はひとり一枚と決まっているわけではありませんので、足りない場合はCAさんを呼んで複数枚貸してもらってください。
また季節にかかわらずカーディガンやセーターなどを用意しておくこともオススメです。機内だけにかかわらず基本的に海外では冷房が強いところが多いですので、あって困るということはないでしょう。
特にフライトにおける快適な睡眠のためには安心できるアイテムとして重宝すること間違いなしだと思います。
ハワイ到着後の過ごし方
以上のコツを実践することで、機内でなるべく快適に眠ることは可能かと思います。
しかし、どうしても眠れなかった場合…どうすればよいのでしょうか。
ハワイの到着は日本時間で置き換えると深夜となります。生活リズムを事前に整えることなく、飛行機内でも眠れなかった場合はかなりの眠気に襲われてしまうことでしょう。
ただここで眠ってしまうと、いつまでも時差ボケに悩まされてしまうこととなります。ハワイが夜になるまでは頑張って我慢し、体内時計を初日で整えておきましょう。
あえて身体を動かすようなアクティビティをするのもいいですが、決して無理をしてはいけません。寝不足の状態で海に入り、溺れてしまっては元も子もないでしょう。
どうしても眠気に耐えられないという方は仮眠程度の睡眠に止めておいてください。遅くても午後には目を覚まし、外に出かけてみましょう。一度外に出れば、日本とは全く違う全ての景色に心も身体も起き上がることができると思います。
帰りの時差ボケ対策法

時差ボケの影響を受けるのは行きだけではありません。帰りについてもしっかりと対策をしておかなければ、日本での日常生活に大きな支障が出てしまうことでしょう。
ここからはハワイからの帰りにおける時差ボケの対策について解説していきます。
前日の過ごし方
行きと同様に、時差ボケの予防は帰る前から始めた方がいいです。とはいえ旅行ですのでそんなに多くの時間を体内時計の調整のためにかけるわけにもいきませんよね。
だいたい前日から準備しておく程度でも影響はかなり少なくなります。寝る時間と起きる時間を数時間程度前倒しにしておきましょう。
ひとつ有効な手段として、日本で普段夜の11〜12時に寝る方であればハワイ滞在中は夜8時くらいに寝ておくというのもアリかと思います。というのも海外は日本と比べて夜はみんなが早く寝て、朝も早く起きる文化であることが多いです。
滞在中だけでも夜は8時程度に寝て、朝は5時くらいに起きてみるというのも海外を楽しむうえではいいリズムですし、日本に帰ってからは旅行前と近い体内時計で過ごすことができるでしょう。
フライトの前にはしっかりとした睡眠をとり、余裕をもって荷物の整理をして空港へ向かうことで、忘れ物やトラブルを事前に防ぐことにも繋がります。
帰国便では起きておく
行きとは逆に、ハワイから日本へ帰るフライトの多くは午前中に出発して夕方くらいに到着するように設定されています。
かかる時間の目安はだいたい8時間ほど。今度はこの時間を寝ないで過ごすことが時差ボケを防ぐポイントとなります。
ハワイで寝てから搭乗しているはずなので、起きていること自体はそこまで苦しくないでしょう。しかしフライトは長時間に及ぶものなので、必ず気晴らしや時間潰しの手段を用意しておきましょう。
オフラインで楽しめるようにタブレットなどでドラマをダウンロードしておくことをオススメします。この機会に溜めていた作品を見尽くしちゃいましょう!
日本到着後の過ごし方
前述のとおり、日本に到着するのは夕方であることが多いです。移動での疲れから帰宅後はすぐに寝てしまいたくなってしまうことでしょうが、ここも少し我慢が必要です。夕方に寝てしまい、深夜に目覚めるなどという事態になってしまっては元も子もありません。
帰宅後は荷物を整理し、片付けてから寝ることで生活リズムを整えると同時に次の日からの負担を減らすことができるでしょう。その日のうちに家族や友人へ無事に帰国した旨を伝えるのもいいと思います。
時差ボケで苦労した声まとめ

ここからは時差ボケに関する実際のみなさんの感想をみていきたいと思います。Twitter上で見つけた投稿をまとめてみました!
“20:00過ぎに寝落ちして3:00~4:00に目覚める時差ボケが持続しています”
“頭は未だハワイ時間です”
帰国の際の時差ボケ対策が上手くいかないと、しばらくハワイ時間のまま過ごすことになってしまいかねません…。
“持病持ちにはこたえます”
持病などがある方は特に、念入りな対策をする必要がありそうですね。旅行先で体調を崩してしまっては楽しい旅が台無しになってしまいかねません。
“治るのに2ヶ月ぐらいかかり仕事になりませんでした”
個人差もありますが、治るまでにかなり時間を要してしまう場合もあるようです。数ヶ月時差ボケの状態が続いてしまうと日常生活にかなり支障をきたしてしまいますね…。
時差ボケ回避方法の口コミまとめ

次に、みなさまの時差ボケ対策についてTwitter上で調査しました。思いがけない意見などもありますので、ぜひご覧になってください!
“時計の針を現地時間にする”
これは出発前に体内時計を現地時間のリズムにしておく方法のひとつですね。中には飛行機にのった段階で時計を調整する、という方も見受けられ、みなさんがなるべく短い時間で体内時計を変化させるようにしていることがわかります。
“時差ボケ防止のためにビジネスクラス”
対応策としてこのようなものも。機内での快適な睡眠のためにはビジネスクラスにするという手段も有効だと思われます。ただし予算にかなり余裕がある場合に限られるかも知れません。
“夜勤慣れしている人は時差ボケにならない”
これは思いもよらない意見ですね!普段から夜勤のお仕事をされている方ならたしかに、時差ボケにはなりづらいかもしれません。ただその分、出発時間に寝過ごしてしまいそうな気も…。
まとめ

今回はハワイ旅行での時差ボケについて、その予防策を徹底解説させていただきました。
ハワイと日本の時差は-19時間で、現地時間を知るためには日本時間から5時間進めたうえで1日日付を戻すという計算方法が最も早いです。
行きにできる時差ボケの対策としては大きくふたつ、①出発の数日前から現地時間に合わせた生活リズムに近づけておく方法、②飛行機でしっかりと寝る方法に分けられます。
そして飛行機でしっかりと寝るためには機内食を諦め、窓際もしくは入り口付近の席をとり、足元・騒音・感想・気温の対策を怠らないようにすることが大切です。またハワイに到着したあとはすぐに寝るのではなく、夜になるまで活動してからたっぷり休みましょう。
帰りの時差ボケ対策としては前日に早めに休む方法と飛行機で起きている方法があります。
いずれにせよ帰国後はすぐに寝るのではなく、荷物の整理などを終わらせてから夜を待って寝ることが時差ボケ解消の秘訣となります。
いかがでしたでしょうか?当サイトではひきつづきハワイやハワイ旅行についてのお役立ち記事を連載してまいります。この情報がみなさまの快適な旅の手助けになれれば幸いです!